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「地球温暖化」論に騙されるな!、地球温暖化対策が日本を滅ぼす

「地球温暖化」論に騙されるな!

「地球温暖化」論に騙されるな!

地球温暖化対策が日本を滅ぼす

地球温暖化対策が日本を滅ぼす

東京工業大学大学院教授の書いた、温暖化対策≒CO2削減ではないことを主張した本。
この手の本の中には、いわゆる”トンデモ本”も多いようだが、本書での主張はしっかりしているように思う。

  • 地球が温暖化しているのは確かである。ただし”温暖化したからCO2が増えた”のであり、”CO2が増えたから温暖化した”のではない
  • 気候変動の要素は太陽の活動度、地球磁場と宇宙線、火山の噴火、地球の軌道、温暖化ガスがあるが、温暖化ガス、それもCO2の影響は仮にあったとしても非常に微量なものである
  • CO2説の根拠となっているIPCCに参加している科学者でも、実はCO2説に賛成していない科学者が多い
  • 日本の科学者でも表向きにはCO2説に賛成しているが、反対と主張すると国からの研究費が削減されるため、そのような主張を行わない
  • CO2対策で一番恩恵を受けるのは、ヨーロッパ諸国である。彼らはBRICS等の新興国の産業を押さえるつけるため、また石油の利権がヨーロッパのオイルメジャーから原油産出国へ移っているため、石油資源の相対的価値を低下させることを狙っている。
  • CO2削減はヨーロッパ諸国の日本を嵌めようとしているワナである。日本にCO2排出のトップラインナーに仕立てることによって、新興国の発展を押さえ込もうとしている
  • ヨーロッパ自身は、削減の基準を1990年におくことによって、旧東側諸国の持っていた機器を置き換えるだけで、簡単に基準を達成できる。
  • さらにヨーロッパ諸国の利権に、ウォール街の”排出権取引”で一儲け企んでいる連中が絡んできている

などなど


以前の日記でも温暖化関連の3冊を取り上げたが、本書は論点が分かり易く、自分にとっては説得力がある。
ただし自分も著者と同じく、CO2犯人説が誤りだとしても、脱化石燃料の取り組みは必要だと思う。ただそれが、金融業界が喜ぶ排出権取引や、まじめな企業に過度の圧力をかけるようになってはいけない。


CO2犯人説を信じている人も、まずは本書を読んでから信じるかどうかを決めてもらいたい。