- 作者: 丸山茂徳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/05/30
- メディア: 単行本
- 購入: 9人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
- 作者: 丸山茂徳
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/09/27
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
この手の本の中には、いわゆる”トンデモ本”も多いようだが、本書での主張はしっかりしているように思う。
- 地球が温暖化しているのは確かである。ただし”温暖化したからCO2が増えた”のであり、”CO2が増えたから温暖化した”のではない
- 気候変動の要素は太陽の活動度、地球磁場と宇宙線、火山の噴火、地球の軌道、温暖化ガスがあるが、温暖化ガス、それもCO2の影響は仮にあったとしても非常に微量なものである
- CO2説の根拠となっているIPCCに参加している科学者でも、実はCO2説に賛成していない科学者が多い
- 日本の科学者でも表向きにはCO2説に賛成しているが、反対と主張すると国からの研究費が削減されるため、そのような主張を行わない
- CO2対策で一番恩恵を受けるのは、ヨーロッパ諸国である。彼らはBRICS等の新興国の産業を押さえるつけるため、また石油の利権がヨーロッパのオイルメジャーから原油産出国へ移っているため、石油資源の相対的価値を低下させることを狙っている。
- CO2削減はヨーロッパ諸国の日本を嵌めようとしているワナである。日本にCO2排出のトップラインナーに仕立てることによって、新興国の発展を押さえ込もうとしている
- ヨーロッパ自身は、削減の基準を1990年におくことによって、旧東側諸国の持っていた機器を置き換えるだけで、簡単に基準を達成できる。
- さらにヨーロッパ諸国の利権に、ウォール街の”排出権取引”で一儲け企んでいる連中が絡んできている
などなど
以前の日記でも温暖化関連の3冊を取り上げたが、本書は論点が分かり易く、自分にとっては説得力がある。
ただし自分も著者と同じく、CO2犯人説が誤りだとしても、脱化石燃料の取り組みは必要だと思う。ただそれが、金融業界が喜ぶ排出権取引や、まじめな企業に過度の圧力をかけるようになってはいけない。
CO2犯人説を信じている人も、まずは本書を読んでから信じるかどうかを決めてもらいたい。