knjrの日記

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日本は原子力とどう向き合ってきたか:田原総一朗氏

日本で数十年にわたって原発を取り上げていたジャーナリスト、田原総一朗氏のインタビュー番組。その田原氏だから語れる、原発導入の経緯、今回の福島原発報道に対する政府やマスコミの報道への批判、原発が設置された地域の実情など。



田原氏はよく反原発派と思われるが実は中立派であり、反対派と推進派の両方を取材したありのままをジャーナリストとして報道するまでとのスタンスです。ただし「原発は終始、危ない危ないと疑っていた。事故も地震津波も起こると思っていた。危ないと思っていた。でも事故が起きて、こんなに大変だとは思っていなかった」とのことです。その他、幾つかを要約↓。


●日本と欧米の文化の違い
日本:99%安全であるが1%の危険性がある場合に、1%の危険性すら声に出せない。これを誤魔化すために”絶対安全である”という安全神話で覆い隠す
欧米:その1%は何かを洗い出して検証し、その1%の中の99%まで安全性を高める取り組みをする。またその残りの1%についてもプロセスを繰り返す仕組みがある。


●日本のジャーナリストの問題点
この国のジャーナリストには政府を批判する考えがない。その理由は、長い間ずっと自民党政権自民党の実力者の意向に沿って政策が進んでいたので、その実力者に取り入ればスクープ記事がもらえていたから。でも民主党政権交代した後、民主党自民党の主張が異なるという状況になり、初めてどちらの主張が正しいのか悩むことになった。記者達も、今までそんなことは考えた事がなかったので、今回の震災でも大本営発表を繰り返し報道するだけで、政府の批判記事など書く事ができないの(その力がない)のが現状である。


●ジャーナリストとマスコミとの上手な付き合い方
「視聴率が高い、番組評判になる、スポンサーが下りない」の3つである。東電は「サンデープロジェクト」のスポンサーでもあったが、原発を取り上げる場合は東電がスポンサーが下りることを事前に約束していたとのこと。


インタービューで取り上げられていた↓を図書館でを借りてみた。

原子力戦争 (1976年)

原子力戦争 (1976年)

映画化もされているようである。