knjrの日記

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理想の上司は、なぜ苦しいのか: 管理職の壁を越えるための教科書

書店でタイトルを見て、思わず手に取ってしまった。なるほどと思わせる事例も多く腹落ちした。以下、本書中から幾つかポイントを...

  • 今の管理職は、会社全体のコストダウンダウンの中で、あまりにもその役割が複雑になりすぎて、一人一人に余裕がないため、管理職の本来の仕事である部下の仕事への目配りや育成について考えるられなくなっている。管理職の仕事は30年前に比べて、格段に負荷が高まってきている。
  • かつての新人社員は1、2年は助走期間が与えられ、その中で仕事への姿勢や基本を嫌というほど叩き込まれた。今はデジタル機器や通信インフラが発達し、その新人の仕事を機械が奪い、その結果2〜3年目に行っていた仕事がいきなり新人に与えられ、新人の仕事のレベルが一気に上がってしまった。ところが以前は教育係をしていた先輩社員の仕事も増えているので、管理職自らが部下のレベルまで下りていき、一定の時間を使って手取り足取り仕事のやり方を教えてあげなければならない時代になった
  • 多くの若者が会社の常識に従い、上司に育てながらじっくりと時間をかけて社会人になっていく、そんな幸せな時代は90年代末には完全に終わってしまった。今は個人と会社の関係は対等であり、上司という存在は、会社の中の役割に過ぎない。部下よりも偉いと胸をはれるような時代ではない。上司の役割は仕事を通じて部下のキャリアを伸ばす支援をし、積極的にサポートすること
  • 管理職になって最初のジレンマは「自分の思ったとおりに物事がすすまない」という現象。今までは自分一人で行動してきたが、管理職なると、部下との相性や能力差に躓き、全員をうまく使えていないというジレンマ。人を動かすためには、相手を理解するため話を聞き、信頼関係を築き、その上で相手のモチベーションのタイプにあわせて、目標を共有し、目標亜達成の動機付けを行い、その気にさせて仕事をさせていく。こうした相手に寄り添った一連のコミュニケーションが必要であるが、現実にはなかなか出来ない。つまりここにきて、自分の弱み、つまり自分の人間としての幅や許容量と向き合う事になる。
  • 管理職の壁をスムーズに乗り越える人の特徴が3つある。①自尊心より好奇心が勝っていること②自分とは別の生き物である部下を理解しコミュニケーションがとれていること③仕事に対する信念があること