最近言われ始めた「情報セキュリティ心理学」の中の犯罪機会論から本書に辿り着いた。
- 作者: 谷岡一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/03/17
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
本書ではその中のいろいろな考え方や概念を分かりやすく説明してくれている
- 基本はCPTED(Crime Prevention Through Environmental Design:環境デザインによる犯罪予防)という考え方
- 「ルーティン・アクティビティ・セオリー」:同じ時間、同じ空間に「犯意のある行為者」、「ふさわしいターゲット」、「抑止力のある監視者の不在」の3条件が揃うと犯罪は起こりやすい(人間は「環境→脳による選択→行動」となる考え方)⇒犯罪は起こりにくくするためには、3条件を減少させる
- 犯罪時における「合理的な選択」理論:人間が犯罪を実行するとき、以下の4項目を考える。「犯罪が成功する可能性」、「犯罪が失敗し、逮捕される可能性」、「犯罪成功による利益の量」、「犯罪失敗時の刑罰の重さ」
- 社会的コントロール理論:決行することで失うものが大きければ、犯罪を起こさないという理論。一つの例が「愛着」:影響のある近親者がいれば、その人を悲しませたくないので、犯罪をしない
確かに情報セキュリティにも応用できそうな考えである。少しでも興味のある方は一読してみることをお勧めする。