knjrの日記

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武装解除

武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)

武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)

著者が大学時代に建築家の夢を捨てて、インドのスラム街を組織し、インド政府から国外追放をされてしまう。本の出だしから流れに引き込まれてしまう。
その後も東チモールシエラレオネアフガニスタンなどの紛争地域で、武装解除や調停に導いていく様子は、現地で経験した人にしか語れない生々しいもの。
本書を読んだ理由の一つは、紛争後の現地の人は一体どうなってしまうのかということ。著者も本書でそこに触れている。
『復員事業に対するモラルハザード。戦闘員を武装解除して、たとえ恩赦されても、回りの民衆の目には”犯罪者”として見ている。被害者は紛争後の貧困でもがいているのに、犯罪者だけが恩恵を受けているのかと思われてしまう。更に心配なのは、現地の子供たちが「人を殺しても結局は恩赦され、国際社会は特別な恩恵までくれる」というメッセージを受け取り、人殺しが連鎖してしまう』まさに一度入るとなかなか抜け出せない。
関係書籍で現場から発信された情報を更に入手してみようと思う。