knjrの日記

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「痴呆老人」は何を見ているか

「痴呆老人」は何を見ているか (新潮新書)

「痴呆老人」は何を見ているか (新潮新書)

某大型書店の新書コーナーのお勧めコーナーにあったので手にとってみた。痴呆という側面から、人間がどのように自分の世界を構成しているかを解き明かしてくれる。


特に興味深かった、「彼らの3つの原則」を紹介

  • 「環境世界」の原則

ヒトはまったく同じ世界に住んでいるように見えて、それぞれに別の意味を見出し、自分なりの「環境世界」に住んでいる。

  • 「最小苦痛」の原則

ヒトは与えられた環境で、本人にとってもっとも苦痛の少ない状態で生きようとする。もし、現在苦痛の多い状態にいるなら、より苦痛が少ない状態へ自分を変化させようと努力する「適応」への力が働く。逆に苦痛なく生きていける限り、ヒトは勉強もせず、働きもしない。

  • 「根本煩悩」(自我への執着)の原則

ヒトには自分を中心にして世界があるという思いこみがあり、どうしてもそれに気づかないらしい。


確かに過去の最も楽しかった時期をよく覚えている、その話を繰り返すといった痴呆の症状は、これらの原則を理解すると納得できる面がある。また痴呆でない場合でも、これらの3原則を理解しておくと、役に立つのではないかと