さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別 (講談社+α文庫)
- 作者: 高橋洋一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/06/21
- メディア: 文庫
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本書は財務省出身の著者が小泉政権時代の裏で支えていた際の官僚達との戦いを綴った書である。
細かいところは本書を読んでもらいたいが、改めて脱官僚の難しさを痛感させられる。
幾つかポイントとしては、
- 官僚と戦うには官僚の知識や経験と戦う必要がある(政治家の中で一体どれくらいの人が、官僚と渡り合えるのか...)
- 官僚は現状の天下りを含めた制度を維持する事が、自分達の最大の利益になる。そのため自分で考える事をやめ、過去から引き継がれた制度を守ることに対して、硬い一枚岩になっている
これらに加えて、審議会の学者達が担当省庁が選出した「御用学者」だったり、新聞記者も「記者クラブ」を通して官僚達に分の悪い記事は書かないということも官僚を支える原因になっているらしい。
著者の場合は財務省での経験に加えて突出した専門知識があため、天下りに頼る必要が無く、どこでも生きていけるとの自信があるからこそ、官僚と対決する事ができた。
どちらが代表になっても、民主党内にそのような人がいるのが甚だ疑問である。民主党の目玉政策である事業仕分けも、結局は財務省主計局の筋書き通りだったようですし...
特に小沢氏は脱官僚を主張しているが、脱官僚の後が小沢氏が金権政治になってはどうもこうもない。本当に脱官僚というのであれば、具体的にどのようなリソース(人材)でどう改革するのか、案をキチンと示すべきでは。