knjrの日記

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デフレの正体 経済は「人口の波」で動く

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

昨年秋から書店の一等地に山積されている新書である。
過去にもデフレ関係の書籍を幾つか読んでいるが、本書の主張はシンプルで、ずばり「生産年齢人口(15〜64歳の人口)の減少により、内需が構造的に縮小していることこそ、デフレの正体である」と。


本書では、ただ原因を述べるだけでなく、対処法も3つほどあげている。

  1. 高齢富裕層から若者への所得移転
  2. 女性の就労と社会参加
  3. 労働者ではなく、外国人観光客と短期定住客の受入れ



個人的には、デフレの原因は政府や日銀の政策の失敗や国民の心理面など複合的だと思っているが、著者の主張についても、本書をよく読んでいくと各種データをきちんと提示しているので納得感はある。是非とも多くの人に読んで欲しい一冊である。


参考:菅首相も今月になって、ようやく本書を読んだらしい。というか、もっと早く読んでおけと言いたい!


菅首相は10日、JR東京駅近くの書店を訪れ、政治・経済関連を中心に単行本と月刊誌「文芸春秋」2月号の計7冊を購入した。

 文芸春秋には首相らを批判した西岡参院議長の手記が掲載されている。首相は購入後に西岡氏と会談しており、「会うことが決まって、慌てて読んだのではないか」という見方が出た。

 首相は約20分かけて書店内を回り、文芸春秋のほか、「国家債務危機」(ジャック・アタリ氏)、「国家を考える。」(筑紫哲也氏)、「これから、中国とどう付き合うか」(宮本雄二氏)、「デフレの正体」(藻谷浩介氏)、「がん 生と死の謎に挑む」(立花隆氏、NHKスペシャル取材班)、「無縁社会の正体」(橘木俊詔氏)を購入した。その後、首相公邸前で記者団に感想を聞かれ、「ついたくさん買っちゃった」と上機嫌で語った。
(2011年1月10日 読売新聞)