knjrの日記

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日本銀行 デフレの番人

日銀総裁候補でインフレターゲット論者である岩田規久男教授の昨年6月に出版されたデフレ解説書

日本銀行 デフレの番人 (日経プレミアシリーズ)

日本銀行 デフレの番人 (日経プレミアシリーズ)

  • 戦後デフレに陥ったのは日本だけであるので、デフレの原因を考える上では国際比較をし日本だけに特徴的な要因を探さなければならない
  • 過去の3代にわたる日銀出身の日銀総裁が主張したデフレの原因(※1)はいずれも、日本だけに特徴的な要因ではない(本書内の各種データで明らかにされている)
  • インフレターゲットを導入している各国は、失業率の上昇や成長率の低下というコストを払うことなく、インフレの抑制に成功している
  • インフレ目標によるデフレ脱却のメカニズム(※2)は、①日銀がインフレ目標をコミットした上で、マネタリーベースを増やす→②予想インフレ率が上がる→③円安、株高、予想実質金利の低下→④企業の設備投資の増加→⑤実質国内総生産の増加と雇用の増加


※1:「不良債権」「グローバル化」「情報通信革命」「グローバル化に対する企業経営の対応、規制緩和、税制改革ならびに市場開放などの構造改革の遅れ」「少子高齢化」「経済の成熟化」「エマージング諸国の急速な台頭」「生産年齢人口減少による成長率の低下とそれにともなう成長期待の喪失」「財政バランスの悪化」


※2:インフレターゲットをインフレ政府目標によるデフレ脱却のメカニズム