knjrの日記

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デフレと不況を混同してはいけない (バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる)

バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる

バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる

本書を読んでみて、先日紹介した、「デフレの正体 経済は「人口の波」で動く」を読んだ後のもやもや感が明確になった。


それは何かというと、デフレと不況は異なるということである。
デフレ:deflation。一般物価の継続的な下落のこと。(具体的には昨年の日記でお伝えしたように、消費者物価指数の中のコアコアCPIやGDPデフレーターの値を見ればわかる)
不況:depression。景気循環の一局面で、経済が停滞している状態。雇用量・生産量などの縮小、物価・賃金や利子率などが低い水準を続ける(goo辞書より)。


これにあてはめると、「デフレの正体 ・・・」の主張では、生産年齢人口(15〜64歳の人口)の減少により、GDPが構造的に縮小していることこそ、デフレの正体であるとあったが、デフレではなく『不況の正体』であったのだ。本のタイトルは「不況の正体 経済は「人口の波」で動く」とすべきだったのだろう。


著者の主張のように、デフレという物価や通貨に関する言葉と、不況という経済活動に関わる言葉が混同されると、議論がかみ合わなくなる。マスコミの報道や経済学者の主張を聞く場合には注意が必要だ。