knjrの日記

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停止中原発の再稼働の条件を考える

6/18日、海江田万里経産相は「停止中の原発の再稼働は可能」との見解を表明して、自ら原発が立地する自治体や住民に再稼働への協力を要請していく考えを示したようだ。「再稼働可能=安全」の根拠は以下の内容だそうです。 経済産業省のサイトから引用。


<福島第一原子力発電所事故を踏まえた他の発電所におけるシビアアクシデントへの対応に関する措置の実施状況の確認結果について>


●本件の概要
 平成23年6月7日、原子力災害対策本部が福島第一原子力発電所の事故に関する報告書をまとめ、シビアアクシデントを防止する対策に加え、万一シビアアクシデントが発生した場合の対応に関する措置について課題を整理しました。
 これに基づき、原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、6月7日、各電気事業者等に対し、シビアアクシデントへの対応に関し、直ちに取り組むべき措置について実施するとともに、その状況を報告するよう指示しました。
 6月14日に各電気事業者等からの報告を受け、当院は、現地の保安検査官が立入検査等を行い、資機材の配備や手順の整備、訓練の実施状況等について厳格な確認を行いました。その結果、各電気事業者等から報告のあったシビアアクシデントへの対応に関する措置は、適切に実施されているものと評価します。
 今後、保安検査等の機会を通じ、各電気事業者等が今後完了する資機材の調達、作業手順の整備、訓練等を通じた継続的な改善等の措置について、実施状況を厳格に確認します。また、中長期的措置として行うこととしている緊急時の発電所構内通信手段の確保に関する構内PHS装置等の高所への移設等の措置についても、その実施状況を厳格に確認していきます。
 さらに、各電気事業者等に対して、今後とも必要な改善に継続的に取り組むことを促すことにより、シビアアクシデントへの対応に関する措置の一層の充実を図ります。
●担当 原子力安全・保安院 原子力発電検査課
●公表日 平成23年6月18日(土)
●発表資料名
* 福島第一原子力発電所事故を踏まえた他の発電所におけるシビアアクシデントへの対応に関する措置の実施状況の確認結果について(PDF形式:123KB)
* 別紙1:福島第一原子力発電所事故を踏まえた他の原子力発電所におけるシビアアクシデントへの対応に関する措置の実施状況の確認結果について(PDF形式:1,360KB)
* 別紙2:シビアアクシデントへの対応に関する措置の確認に係る審査基準(PDF形式:174KB)


いろいろと言いたいことはあるが、特に5点ほど

  • 東電だけでなく、政府や原子力保安院自らの対策は十分であることを確認したのか。特にアクシデントが発生した後の住民を守る対策は十分なのか。避難訓練は?SPEEDIの迅速は運用は?ヨウ素の準備は?関係者間の連絡体制は?
  • 確認項目はこれで十分なのか。素人である自分がパッと気付いただけでも、先日紹介した元IAEA事務局長の提言である「格納容器や建屋の強化」「排気口(ベンド)に放射性物質を吸収するフィルターを設置」などが抜けている。
  • 確認結果の中には『〜を設置する計画であることを確認した。』とあるが、設置されていることでなく、計画だけでよいのか。例:触媒式水素再結合装置、水素検知器、水素ベント装置など
  • 原子力安全・保安院 原子力発電検査課のチェックで問題ないのか。そもそも保安院のいい加減なチェック体制が今回の事象を招いた要因の一つではなかったのか。海外を含む、他の専門家がチェックすべきでないのか。
  • 評価プロセスと詳細結果を原発毎に公開すべきではないのか(別紙2の中で原発毎の結果があるが、かなり”丸めた”報告になっている。例:準備する物品の個数や、電源車であればその燃料の保管量や調達方法まで開示すべき)。要は、その詳細結果を見て、専門家や国民が安心できるか判断可能なレベルまで開示すべきではないのか。