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「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す

「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す

「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す

「日本の大復活はここから始まる!」と同じ著者が同時期に出版したため、重複する部分も多いが、ポイントだけ。

  • 財務省(+それに連なる政治家、マスコミ、評論家たち)は、東日本大震災をいいことに、「復興税だ」「消費税だ」と主張し、自分たちの政治的意図を達成しようと考えている。その意図(目的)とは「恒久的な増税である。いま復興予算として大型の国債を発行し、日本経済がデフレから脱却して増収や財政健全化が達成されてしまうと、財務省の目的が達成できなくなり、また自分たちの言ってきたことがデタラメであることがばれてしまう。
  • 財務省増税したい理由は、増税に成功すると軽減税率の適用という「利権」が生まれて、財務省の役人が軽減税率の適用業界に天下りすることが可能になるため。
  • 今はデフレであるので、需要を増やすか、供給を抑えるしかないが、後者は失業者を増やすので、結局は需要を増やすしかない。民間需要が冷え込んでいる以上、政府が公共投資を増やして、民間需要を刺激するのが正しい政策である。(逆にインフレ時には、需要を減らし(無駄な公共投資を控える、増税をする)、供給能力を高める(構造改革をして民間の供給能力を高める)ことが正しい)
  • 国債バブルの発言は、外資系金融機関の人間が、自分たちが儲かる(=外国に投資してもらう)ためのポジショントークであることが非常に多い。
  • 「日本が財政破綻する」という報道が多いが、実は財務省自身は、日本が財政破綻するとは全く信じていない。その証拠に財務省のHPで公開されている「外国格付け会社宛意見書要旨」の中に破綻しない根拠が全て簡潔に書かれている。その内容は全く正しい。


あと個人的には「IMFが日本に干渉してくる理由」が本書によって解明できたことも大きい。
以下は今年6月のロイターの記事である。


[ワシントン 16日 ロイター] 国際通貨基金IMF)は16日、日本に対し、増大する公的債務の削減に向け、消費税を現行の5%から15%へと段階的に引き上げるよう要請した。


 IMFスタッフの討議記録では「消費税を向こう数年で現行の5%から15%へと段階的に引き上げる措置により、今後数年以内に公的債務比率を低下軌道に乗せるために必要な、財政上の調整の約半分がまかなわれ得る」と述べた。


 債務増大の原因としては、人口の高齢化や弱い経済成長に伴う、社会保障費の一貫した増加が挙げられるとし、「高齢化社会による歳出圧力に加え、社会保障費以外の費用を削減する余地が限られることを踏まえ、新たな歳入措置が、高い公的債務水準の引き下げに向けた中期的戦略で中心的役割を担わざるを得ない」とした。


 さらに消費税増税で、順守すべき指針として4つの「S」を掲げ、1)すぐにでも(Sooner)増税を実施し、2)税率を段階的に(Stepwise)引き上げ、3)引き上げを一定期間持続し(Sustain)、4)現行と同様に税を単純化(Simple)すべき──とした。


ここでよく考えてもらいたい。IMFが関与できるのは、「外貨建ての対外債務がデフォルトになる(なりそう)」ときだけである。現在、日本の国債は95%が国内投資家によって消化されおり、かつ100%円建てである。


しかしながら現実にはIMFは日本に干渉している。その理由は簡単。それは財務省からIMFに出向している連中がそう言っている(=IMFから言わせている)だけとのことである。


ネットで調べてみると8月6日の週刊ポストが、「IMF 国際通貨基金 「消費税15%提言」報道に財務省のヤラセ疑惑」として、記事にしている。


日本は支援を受けるどころか、IMFに対する出資比率は、米国に次いで2番目の”大スポーンサー”なんですから」


 日本のこれまでの出資総額は2兆円近く。このあまりに不自然な「提言」の正体は、IMF財務省の近すぎる関係を見れば、おのずと透けて見える。


 実は出資金と共に、日本は多くの日本人職員をIMFに送り込んでいる。現在、IMFで働く日本人職員は49人。そのうち10数名が財務省からの出向だ。


『国連幻想』(扶桑社刊)などの著書がある産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久が指摘する。


IMFは、長らく財務官僚の”天下り先”と化しており、副専務理事の篠原尚之氏をはじめとして日本人が座る重要ポストのほとんどは財務官僚によって占められています。この提言も財務省の意向を十分に反映しているものであることは間違いありません」


 篠原副専務理事は、消費税増税積極派として知られ、近く財務次官に就任する勝栄二郎氏と同期入省という間柄。さらに、今回のIMFの年次審査報告の作成には、徳岡喜一氏という財務省からの出向者が名を連ねている。


 何のことはない、「消費税15%」提言は、「財務省の別働隊」が関与していたものだったのである。


財務省の連中は、日本人が「IMFという組織理由をよく知らないこと」「権威に弱いこと」を知った上でIMFを利用して世論誘導しているのだ。本当にタチが悪い!!


大手新聞記者達も、財務省記者クラブから「IMFがこんなことを言っているよ」という情報を貰い、何も考えずに記事にするのであろう。