ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足
- 作者: 深田浩嗣
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2011/09/10
- メディア: 単行本
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自分はゲームをすること自体には興味が無いのだが、多くの人が単純そうなゲームになぜ嵌るのか、お金を払うのかに興味があった。
本書はそれを「ゲーミフィケーション」というキーワードで紐解いている。以下、日経コンピュータの「ゲーミフィ ケーション」の解説より
テレビゲームやオンラインゲームにおける「レベルアップ」や友人との競争といった娯楽の要素を、個人向けのITサービスや企業情報システムの領域に活用すること。ITサービスやシステムの使い勝手や魅力を高めることで、利用者に「頻繁に使いたい」と思わせたり、マニュアルを見なくても操作できるようにしたりすることが目的である。
本書を読むと、いろいろな手法を駆使して、利用者がゲームに嵌るように仕向けている事が良く分かる。そのような手法の根底にある理論の一つが「フロー理論」である。↓のイメージ図を見てもらえるとすぐに理解できる。
つまり、能力に応じた難易度になることで、人はフローの状態、つまり嵌る状態になるのである。
ソーシャルゲームでは、ゲームの提供事業社は、利用者の利用履歴などを見ながら、その人の能力に応じた難易度になるように、細かいチューニングを行っているとのことである。
またフローの構成要素としては、以下の8つだそうである。
- 達成できる見通しのある課題に取り組んでいる。
- 自分のしていることに集中できる。
- 行われている作業に明瞭な目標がある。
- 直接的なフィードバックがある。
- 意識から日々の生活の気苦労や欲求不満を取り除く、深いけれども無理のない没入状態で行為している。
- 楽しい経験は、自分の行為を統制しているという感覚を伴う。
- 自己についての意識は消失するが、これに反してフロー体験の後では自己感覚はより強く現れる。
- 時間の経過の感覚が変わる。(数時間は数分のうちにすぎ、数分は数時間に延びるように感じられることがある)
(シカゴ大学の心理学科教授チクセントミハイによる)、
そのうち1〜6までをソーシャルゲームはカバーしているそうである。
これらのを知っていてソーシャルゲームにお金を注ぎ込むのは構わないが、未成年のように世間を知る前に、彼らの心理を裏でこっそり操るようなビジネスは個人的にはどうかと思う。