本書の著者は、調子のいい政策ばかり並べる「
みんなの党」の幹事長の江田氏であるが、それは別にして、ここでは本書の【第2章
財務省支配のカ
ラクリ】から
財務省支配の実態を
- 財務省の裏工作部隊は、主要な政治家や角界のオピニオンリーダーに張り付き、経歴を調べ上げ、必要ならば親類縁者は係累まで洗い出し、財務省の意向に逆らう動きをすると、圧力をかけたり、マスコミを通して人格攻撃を仕掛ける
- 財務省の権力の源泉は「予算の査定権」であるが、それ以上に恐ろしいのが「国税の査察権」である。政治家はすねに傷を持っている人が多く、表向きには認めないにしても、税の査察権には、隠然たる影響力がある。
- 他の省庁が財務省に頭が上がらないのは、財務省に予算査定されるだけでなく、査定される際に各省庁の業務に全てチェックを入れる点にある。各省庁は予算が欲しいため、財務省に自ら説明に出向くことになり、財務省は各省丁の細部までコントロールできる仕組みを築いている。
- 財務省は権力の隅々まで先兵を潜り込ませている。重要な政策会合の現場に常にアンテナを伸ばして情報をキャッチする一方、財務官僚以外の官僚はその場から排除しようとする。
- 財務省は他の総務省や人事院、内閣法制局など枢要なポストに対して人を送り込む「植民地支配」をしている。その結果、一官庁が予算、人事、組織、法務、監査部門までを一手に握ることになり、霞ヶ関一体は隅々まで財務省の支配が強力に及ぶ事になる。
- 日本政府によるIMFへの巨額出資を背景に、財務省はIMFのナンバー3のポストを長年にわたり維持し、実質的に「国際的な天下り先」としている。それにより、財務省の主張を、IMFの名を借りて発言させている。