knjrの日記

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日本再生を妨げる 売国経済論の正体

日本再生を妨げる 売国経済論の正体

日本再生を妨げる 売国経済論の正体

以前に畑村洋太郎先生の「未曾有と想定外」で触れた「コンプライアンス」という言葉の使い方と、同様な主張に心に残ったので紹介する↓

  • 本来の「コンプライアンス」という言葉と「法令遵守」という訳語には相当開きがある。例えば、小さい子供が横断歩道に取り残されていた場合には、赤信号を無視してでも子供を救出するのが真のコンプライアンスなである。つまり、道路交通法を杓子定規に守るのではなく、本来道路交通法が制定された意義と目的である「人を交通事故から守る」というこを考え、その目的を達成するために最適の行動を取ることが真の「法令遵守である。
  • 有事において平時のコンプライアンスを押し通してしまうのは、物事を自分の頭で考えないクセがついているからである。状況に応じて自分で判断するためには、「確固とした判断基準」を持たなければならない。「確固とした判断基準」とは特定の問題に関する専門知識ではなく、自分がその問題に詳しくないときでも、どのように情報を入手して判断するかといった決定プロセスを設計する能力である。この能力を先人たちは「教養」と呼んだ。
  • 「教養」のある人は、たとえ自分がよく知らない事でも、誰に任せるべきか、いまどのような基準で判断すべきかといったことを自分の頭で考える事ができる。逆に「教養」がない人が有事に直面すると、価値判断の基準を含めて全てを他人や「すでに決まっていること」に丸投げすることになる。