knjrの日記

登山、鉄道、写真、カメラ、旅行、読書記録などの思いつくままに

希望の資本論 ― 私たちは資本主義の限界にどう向き合うか

  • ソビエト崩壊後、マルクスの『資本論』は過去の遺物のような扱いであった。しかし社会主義と資本主義の魅力争いで、社会主義が消滅した途端に、資本主義は厚化粧を止め、醜悪な側面を見せ始めた。社会主義が力を持っている間は、資本主義国では労働者の社会主義革命を恐れ、社会保障社会福祉に力を入れ、格差の是正に努めてきた。これが圧化粧。圧化粧をやめたところで、過当競争による労働加重、不安定な雇用、教育格差の拡大とう素顔が見えてきた。(特に2008年のリーマン・ショックにより、『資本論』に書いてあることが世の中で起きていることに人々が思い始めた)
  • リーマン・ショックのようなものが起こっても、資本論』を学んでいて、資本主義の限界や、恐慌というのが周期的に起きるものなんだということを-知っていると、「あ、これか」ということになる(冷静に対応できる)
  • なぜ、資本主義社会で人々は競争を過剰に意識し、疲れ果ててしまうのか。それは資本主義が死なないから。貨幣がずっと市場に残り続けるのと同じように、資本は死なない。
  • 全ては資本の論理に流れていってしまい、人生も家族も、すべてがお金に換算されてしまうのが資本主義なんだということを『資本論』は描いている。私たちが人間性を失わないようにするには、そのすべてをお金に換算する論理から抜け出る力が必要である。(例:残業代が入れば家庭が楽になるからといって死に物狂いで残業をしていても、理性的になって立ち止まる事ができる。それにより健康が破壊されたり、家庭が崩壊することを防ぐ事ができる)→佐藤氏が主張するのは、「資本主義の論理をよく理解できれば、資本主義で幸せに暮らせる」ということ。