knjrの日記

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経済ニュースの裏を読め!

経済ニュースの裏を読め!

経済ニュースの裏を読め!

いま知っておくべき経済ニュースの裏にある事実を、各種データを用いて数値ベースで説明してくれている。マスコミのポジショントークに騙されないように備えるための良書。その中から幾つか備忘録として

  • 「中国の対外資産が世界一になった」とよく報道されるが、これは国家のストック分のみ。中国の対外資産に占める政府保有分の割合は67%に対し、日本は18%ほど。よって国家全体で見た場合には、日本の対外資産は、中国の倍以上ある(日本:2009年3月、中国:2008年末のデータ)
  • 日本はバランスシート不況になっている。民間企業は「借金をする」リスクを抑えて、政府に押し付けて、自らは借金返済に夢中になり、投資を拡大しなかった。結果、国家全体のGDP成長率が低迷した
  • 資本主義経済では、借金は経済活動の原動力。銀行から民間企業への融資が増えないと、GDP上の設備投資が激減する。日本の一番の問題は、政府の借金ではなく、お金が余っていること、誰も借りてくれないことである。だから政府は仕方なく銀行に国債を発行して、景気の下支えをしていた。政府政府の借金を減らせるのは、好景気のみで、節約では政府の借金は減らせない。
  • 経済破綻とは、その国の「外貨建て」で借りた借金について、通貨暴落が原因でデフォルトすること。過去にはロシア、アルゼンチン、韓国、アイスランドなどがそれで破綻している。日本の場合は、国債の94%が国内で販売されており、国内で国債が買い続けられる限り経済破綻はない。